映画カサブランカの謎
いまさら書くこともない名作「カサブランカ」であるが、アメリカで一般公開されたのは1943年1月のことで、ちょうどルーズヴェルトとチャーチルがカサブランカで会談を始めたころであった。そして翌年には第16回アカデミー作品賞と監督賞を獲得している。この映画には連合国側のプロパガンダ的要素があり、受賞も時局の要請であった。評論家たちはこの作品はあまり評価していなかった。アメリカで評判が上がるのは、名画座などで繰り返し上映される1960年代後半からである。日本公開は1946年6月20日であるが、敗戦にうちひしがれた日本人が連合国側の自由にどれほど共鳴したかは疑問である。もちろんバーグマン人気は上がってきたが、むしろ「誰がために鐘は鳴る」「ガス燈」「聖メリーの鐘」「白い恐怖」「「サラトガ本線」「汚名」「凱旋門」と作品が続々と公開されたからである。「カサブランカ」の人気に火がついたのはリバイバル上映によるものである。
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