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2015年6月15日 (月)

近代日本作家の自殺について

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     牧野信一            太宰治

   1908年のこの日、川上眉山が自殺している。ある外国の学者によると、「ウィーン人の自殺は、ウィーン人にしかわからない」といわれるが、その国には、その国独自の自殺の特徴がある。自殺者の職業に注目すると、アメリカでは医師に自殺が多いといわれるし、ヴェトナムでは僧侶の焼身自殺が多い時代があった。韓国では芸能人の自殺が多いが、日本では、作家の自殺が多いことが特徴であった。まず浮かんでくるのは、明治文壇で活躍した北村透谷(明治27年)、川上眉山(明治41年)がいる。ついで、大正に主として活躍した作家のなかには、有島武郎(大正12年)、芥川龍之介(昭和2年)、生田春月(昭和5年)、金子みすず(昭和5年)、牧野信一(昭和11年)がおり、昭和になると、太宰治(昭和23年)、田中英光(昭和24年)、原民喜(昭和26年)、加藤道夫(昭和28年)、久保栄(昭和33年)、三島由紀夫(昭和45年)、川端康成(昭和47年)がいる。自殺の動機と死に至るの事情は、さまざまであるが、芥川龍之介の場合は、時代の先駆者的存在であり、次代を予告し、警告を発する先覚者としての意味があった。芥川の遺書に書かれた「唯ぼんやりとした不安」は当時の知識人の合言葉となった。その頃、金融大恐慌が起こって、内閣は総辞職し、不況はどん底で、無産派の革命運動が活発になり、人びとは不安な新しい時代の到来を実感していたのである。芥川の死は、まさにその時代不安を象徴していたのである。(参考:大原健士郎「作家の自殺と死に至る事情」昭和日本史12) 6月15日

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コメント

sad各国の自殺者の特徴・・・
日本には作家の自殺が目立つというが、
年間三万人の自殺者は、決して少ない数ではない。作家なんて微々たるものだ。

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