「たんぽぽ」の語源は鼓の音から
春の野原に道ばたによく見かける親しみ深い野草である。古名「タナ」は、田菜の意味で、食用の野菜であった。観賞用として注目を集めるのは江戸中期のことである。
タンポポ(蒲公英)の語源は数説あるが、広く知られているのは民俗学者の柳田國男の「児戯 説」である。タンポポの名の由来は、古名「鼓草(ツヅミグサ)」から出たもので、鼓の音「タンポンポン」に由来するとする。タンポポの花を用いた子供の遊びで、鼓の形を作って興じ、タンポンポンと呼んでいたものが、いつしかタンポポになったものであるとする。牧野富太郎は「タンポ穂の意で、球形の果実穂からタンポ(布で綿をくるんで丸めたもの。拓本などに使う)を想像したものであろう」と「タンポ説」を推測した。近年では古名「タナ」と鼓の擬音「タン」との音の類似から、擬音「タンポポ」が草名となったとする「鼓音説」が有力である。
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