ウルのスタンダード
東京国立博物館でいま「大英博物館展、100のモノが語る世界の歴史」が開催されている。なかでも注目なのは「ウルのスタンダード」紀元前2500年頃イラク。幅は約47cm、高さは約26cmと想像しているよう小さい。「スタンダード」とは「軍標」という意味で、サイズも小さいことから、軍隊の役割を象徴するモニュメントとして行進の際に持ち運ばれたものではないかといわれているが、戦勝記念碑、或いは祭事用だとの説もある。台形の箱の片面に「戦争の図」、反対側に「平和の図」が描かれている。
「平和の図」は、上中下3段に分けて、平和な日常生活の一場面を描いている。上段には王と宮廷人たちが酒杯を持って饗宴をくりひろげ、右端には、「死の墓穴」より出土したのと同形式の竪琴が弾かれている。中段は牛や羊、ヤギ、魚を運ぶ行列、下段には頭にひもをつけて重い荷物を運ぶ人物やロバを引く人、肩で荷物を運ぶ男などが描かれている。文様は貝殻と石灰岩で、地はラヒズ・ラズリの細片でうずめている。
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