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2015年5月 8日 (金)

リメイク物語

 近年カバー曲が盛んである。ある楽曲について、一番初めに発表されたものを「オリジナル曲」「原曲」と呼ぶのに対し、それ以降に他者がその曲を発表した場合を「カバー曲」と呼ぶ。尾崎紀世彦が歌った「また逢う日まで」はズーニーブーの「ひとりの悲しみ」を改題改詩したもの。園まりの「逢いたくて逢いたくて」もザ・ピーナッツの「手編みの靴下」のリメイク歌謡曲。北見沢淳の曲として発表された「悲しい酒」も、カバー曲であると伏せたまま美空ひばりにレコーディングされ大ヒットとなった。このほか石川ひとみ「まちぶせ」、美川憲一「柳ケ瀬ブルース」(長岡ブルース)、加藤登紀子「知床旅情」(オホーツクの舟歌)など枚挙に遑ないが、リメイクは歌謡曲の世界だけではない。

  シェイクスピアの有名な戯曲「ハムレット」は、その時代に似た話、いわば「原ハムレット」なるものがすでにあったらしい。シェイクスピアの作品の多くには種本が存在した。世の中、完全なオリジナルはまれで、創作物はなんらかの影響をうけているものが多い。近代日本文学の金字塔といわれる志賀直哉の「暗夜行路」も「ハムレット」にインスパイヤーされている。「スーパーマン」から「パーマン」や「あんぱんマン」が生まれ、「月光仮面」から「七色仮面」「まぼろし探偵」が生まれた。宇宙ヒーロー物では「海底人8823」「ナショナルキッド」が「ウルトラマン」の原型でそこから「ミラーマン」「シルバー仮面」が生まれたのだろう。俳句になるとわずか17文字の短詩形だがら類似品も多い。中村草田男の「降る雪や明治は遠くなりにけり」の句には剽窃の疑いがむかしからある。この句の発表前に、志賀芥子という無名の少年俳人の作として、「獺祭忌明治は遠くなりにけり」という一句が「ホトトギス」誌地方俳壇のページに発表されているという。おそらく中村はこの雑誌を見たに違いない。

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「日本文学」カテゴリの記事

コメント

映画のリメイクはガッカリする事が多いですが、「華麗なる賭け」のリメイク「トーマス・クラウン・アフェアー」は粋で素敵な映画に仕上がっています。ピアース・ブロスナンもかっこ良すぎるけれど、レネ・ルッソが素敵!

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