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西欧中世には「ズボンを巡る争い」というテーマの奇妙な図像が多数残されている。これは力を持つ男に対し、持たない女が力でズボンを奪取するという逆転の発想から生まれたものである。この場合、ズボンは主権、あるいは優越性の象徴である。画像では、男女が同時に一つのズボンを引っ張っているが、どちらが優勢なのは判然としない。多くの図像は女性が優位であるという。フランスの各都市に民衆版画店が栄えた時代にこうした画題のものが好まれた。同類のテーマに女が四つんばいになった男の馬乗りになるものもある。まるで谷崎潤一郎の「痴人の愛」ナオミズムの世界だ。女性上位の源流は西欧中世にあり。(「図書」2002年4月)
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