アル・ディ・ラ「恋愛専科」
女優スザンヌ・プレシェットが死去してすでに7年が経つ。1962年8月公開のトロイ・ドナヒュー共演の「恋愛専科」はイタリアの観光地をふんだんに取り入れた青春映画の愛すべき作品だった。ことにプレシェットの美しさが印象にあり、その後も「鳥」「遠い喇叭」「黒ひげ大旋風」「火曜日ならベルギーよ」と彼女が出ていれば何でも見た。デビッド・ジャンセンの「逃亡者」にも「絶望の時」(39話)「臆病の兎たち」(68話)にゲスト出演している。
ところで「恋愛専科」の主題曲「アル・ディ・ラ」とはどういう意味であろうか。イタリア語「al di la」は「~の向こうに」という意味で、「アル・ディ・ラ(~の向こうに)…チ・セ・トゥ(君がいる)」ということらしい。映画ではエミリオ・ペリコーリが歌ったが、もともとサンレモ音楽祭の優勝曲でルチアノ・タヨーリとベティ・クルティスが歌った。そのほかにもトニー・ダララ、コニー・フランシス、ペギー葉山、岸洋子など多数の歌手がレコーディングしている。
とんなに貴重なものにもまして
君が
どんなに大それた夢にもまして
君が
この世で一番美しいものにもまして
星のかなたに
君が
あのかなたに君が僕のために
僕一人のためだけに
深い深い海のかなたに
君が
この世の果てへのかなたに
君が
果てしない大空のかなたに
生命にもまして
君が
あのかなたに君が僕のために
炎の光、恋の夢
あのかなたに
映画「恋愛専科」が近所の映画館で上映していた頃をはっきり記憶している。映画館の真向かいはレコード屋だった。市場の横でいつも大勢の人で賑わっていた。だが昭和40年代になると映画は斜陽となり、そこも間もなくスーパーという新形式の店が出現した。ハリウッドのスザンヌ・プレシェットにお会いしたことは一度もないが、海をへだてた日本にもファンは多く、「アル・ディ・ラ」の甘いメロディーとともに皆それぞれの思い出があるだろう。
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