ローマの初期イコン聖母子像について、プリシラのカタコンベ
「イコン」とは、ギリシャ語「エイコーン」を語源とし、ギリシア正教会でまつるキリスト聖母・聖徒・殉教者などの画像のことである。そもそも、モーセの十戒には「あなたはいかなる像も造ってはならない」とある。この言葉に従うならば、キリスト教美術の多くが、偶像崇拝として糾弾されなければならない。事実、イコンは偶像崇拝であるとしてビザンティン皇帝レオン3世、コンスタンティノス5世はイコノクラスム(聖像破壊運動 726-843年)をとって弾圧した。だが結果的には、神のイメージは視覚芸術による表現を認められ、843年には聖像崇拝が正統と認められるにいたった。聖像崇拝は禁教であったローマ時代にカタコムベ(地下墳墓)の壁に描かれた聖像が最も古いものとみられる。プリシアのカタコンベに描かれた聖母子はおよそ250年頃のものとみられる。初期キリスト教美術は5世紀以来、マリアの神性を強調し、聖母子やキリスト像などのイコンが東方教会には欠かせないものとして発展した。(Catacomb of Priscilla)
参考文献:加藤磨珠枝「ローマの聖母子イコンの起源について」千葉大学人文研究・人文学部紀要33 2004年)
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