アドリーヌ・ラヴー「ゴッホの回想」
オーヴェール・シュル・オワーズにゴッホが最後に住んだラヴー亭が現在もある。ゴッホ記念館であり、1階がレストランで3階のゴッホの屋根裏部屋も公開されている。1890年5月末から7月までの70日間、76点の絵を描いた。1日1枚のペースだ。ゴッホ最後の肖像画モデルとなったラヴー亭の娘アドリーヌ・ラヴー(1877-1965)は次のように回想している。「彼は我が家ではとても尊敬されていて、ムッシュ・ヴァンサン、と親しみを込めて呼ばれていました。平素は正午ころ、絵を描いていた戸外から昼食のために帰って来て、メニューはだいたい肉と野菜、サラダ、そしてデザートでした。いつも自分で皿を戻し、とても協力的だったのです」(1953年4月16日、フランスの雑誌のインタビュー)アドリアーヌは2度の世界大戦を生き延び、ゴッホの証人として戦後有名になり、カーク・ダグラスの映画「炎の人 ゴッホ」にも端役で出演している。晩年のゴッホは温和で、家賃もきちんと納めていた。晩年のアドリーヌの横顔の写真はゴッホの三枚の絵と比べると、鼻の形が似ている。(Adeline Ravoux)
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