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森の宝庫の寝間に
藍色の蟇は黄色い息をはいて
陰湿の暗い暖炉のなかにひとつの絵模様をかく。
太陽の隠し子のやうにひよわの少年は
美しい葡萄のやうな眼をもつて、
行くよ、行くよ、いさましげに、
空想の猟人はやはらかいカンガルウの編靴に。
大手拓次(1887-1934)。大正期の象徴派詩人。萩原朔太郎や室生犀星と共に北原白秋門下の三羽烏として称された。生涯に書かれた試作品は2378篇にものぼるが、まとまった詩集は生前に発刊されることはなかった。バラを題材にした作品が多いことから、命日は「薔薇忌」と称される。
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