読書漫談
歴史を探求するには史料を利用する必要がある。大きな図書館には「大日本史料」「群書類従」「国史大系」「大日本古文書」「史籍集覧」「史料大成」「大日本古記録」「六国史」「史料纂集」「古事類苑」などがある。ドラマ「東京バンドワゴン」(2013年放送)で古事類苑を10万円で買い取る話があった。洋装本で51冊(60冊版もある)。むかしなら10万円は相当かもしれないが、今ではインターネットで全文閲覧が可能である。調べると国立国会図書館近代デジタルライブラリー、国文学研究資料館、日本文化研究センター、そして有料では検索サイト「ジャパンナレッジ」がある。このような恵まれたデーターベース環境に感謝し、研究に役立てたいものである。▽NMB48の歌に「太宰治を読んだか?」がある。秋元康は嫌いだが、いいタイトルだと思う。太宰治を他の作家や書名に変えてもしっくりこない。「ニーチェを読んだか?」「村上春樹を読んだか?」「資本論を読んだか?」やっぱり「太宰治を読んだか?」がベストであろう。読書と友だちの大切さをテーマにした歌は他に見当たらない。
▽日本で左横書きが登場するのはいつ頃か?幕末に来日した外国人たちの著述になる日本語学習書には見られるが、本格的な左横書きの図書となると、1871年刊行の英和辞典「浅解英和辞林」の序言がその嚆矢といわれている。
▽国立国会図書館の雑誌の利用傾向のレポートを読むと、「平凡パンチ」や「プレイボーイ」が複写申込ランキングの上位に食い込んでいる。おそらく地元の図書館でバックナンバーまで所蔵している図書館が少なくて、当該雑誌記事を「最後の拠り所」として国立国会図書館に依頼するのであろう。
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コメント
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尖閣騒動の煽りで中国の書店から自分の作品が消えたと嘆く、朝日新聞への寄稿を読んで、加害国と被害国との区別もつかぬ村上春樹の幼稚なレベルに驚いた。
丹念に読むと「騒ぎを煽る政治家や論客」への注意を呼びかけるなど、暗に尖閣の国有化を進めた自国を批判している。だから中国メディアはこれを歓迎し、全訳まで配信した。
ノーベル文学賞を逃したのはよかった。
投稿: うなぎ | 2013年10月22日 (火) 11時47分