イラク南部における灌漑文明の形成
イラク北部のハラフ期(前5000年ころ)に、はじめて灌漑をおこない、沼沢地を農地に変えて、バビロニア南部を開拓したのは、エリドゥ人である。この地方は、新石器時代末までは、定住は全くおこなわれなかった。次のウバイド期(前4000年ころ)になるとシュメール人が南メソポタミア地方のアル・ウバイド、ウル、ウルク、ラガシュ、ウカイルなどにウバイド文化を形成する。シュメール人の原住地は不明で、メソポタミア周辺のセム族の言語でもなく、中央アジアを原住地とするアーリア民族の言語でもないところから、インド原住民との関係があるのではないかといわれている。ともなくシュメール人は前4000年ごろに移住定着し、沼地を干拓し、原始農耕を営んでエリドゥ、ウル、ウルク、ラガシュなどの都市国家を建設し、楔形文字と青銅器農具の使用を発明して、古代オリエント文化の基礎を築いた。考古学編年としては、ウバイド期、ウルク期、ジュムデト・ナスル期、初期王朝時代へと続く。(Shumer,Sumerians) 世界史
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