角万(かどまん)
終戦直後、戦争で婚期を逸した男女が相当数いた。結婚紹介所や集団見合いも全国各地に現れ、結婚ブームがおきた。焼け野原に残ったコンクリート塀や煙突に、ペンキで大書された「結婚とは何ぞや」の文字。空前絶後の異色広告で、屋外広告法制定以前の野放し状態ならではのアイデアで、多くの人々を驚かせた。東京駒込の結婚式場「角萬」の社長長谷川万吉(1901年生まれ)がペンキ屋と2人づれで、店名を売り込むために関東一円の鉄道沿線約600ヵ所に書きまくったもの。「全国のお婿さん結婚とは何ぞや」「角万とは何ぞや」「角万 折詰」と店に近づくにしたがって宣伝効果があがるようになっていた。1948年刊行の長谷川万吉の著作に「角万我が宣伝戦い並び実社会大学論」がある。また大塚駅北口の角万結婚式場の屋上には金閣寺が建てられていた。
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