EUの父「青山栄次郎」
1951年署名のパリ条約によって設立された欧州石炭鉄鋼共同体に事実上の起源を持つEU(欧州連合)は2013年のクロアチア加盟により28ヵ国にまで増えている。第二次世界大戦のさなかの1942年にポーランド亡命政府の首相ヴワディスワフ・シコルスキがロンドンで元ベルギー首相パウル・ヴァン・ゼーラントに対し、欧州統合への道筋を具体化することを呼びかけたことにはじまる。しかし、ヨーロッパ統合の理想はこれに先立つ1人の人物がいる。クーデホフ・カレルギー伯爵、日本での幼名は青山栄次郎(1894-1972)である。父はオーストリア・ハンガリー帝国駐日特命全権大使のハインリヒ・クーデンホーフ・カレルギー伯爵、母は青山みつ。栄次郎は7人の子の次男として東京で生まれた。その一生をヨーロッパ統合に捧げ、「ヨーロッパ人は国境をなくすることに全力を傾けなくてはならない」と著書「パン・ヨーロッパ」(1923年)で記している。映画「カサブランカ」に登場するヴィクトル・ラズロ(ポール・ヘンリードが演じた)は彼をモデルにしているといわれる。
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