日本語化された「ん」の話
古代の日本語には「ん(N)」という発音はなかった。仏教伝来とともにサンスクリット語の「阿吽(あうん)」が入ってきた。しかし「ん」はあまり普及せず、「ん」から始まる言葉はいまでもほとんどない。しかし室町時代ころから庶民の間で「ん」を連発するようになる。たとえば「ふどし」を「ふんどし」と言葉の中間に入れて発音しやすくする。「こぶ」も「こんぶ」と発音するほうが一般的である。明治になって移入された外来語にも「ん」が多用されている。tunnelは「タネル」と発音するが、日本語化すると「トンネル」となる。釧路にB級グルメ「釧路ザンギ」がある。「ザンギ」とは中国の炸鶏(ザーギー)に由来する。鶏の骨付き肉を唐揚げにしたもので、ザーギーに「ん」をつけて「ザンギ」と呼んだといわれる。
« ちょっと古風な日本語 | トップページ | 前線 »
「ことば」カテゴリの記事
« ちょっと古風な日本語 | トップページ | 前線 »
コメント