天皇、ローマ教皇、イスラム教シーア派
2月11日は神道、キリスト教、イスラム教にとって大切な記念日である。紀元前660年、記紀の伝えるところによれば、神日本磐余彦尊(神武天皇)が畝傍山の東の橿原宮で即位したとされる。この日を「建国記念の日」としている。名称に「の」を挿入したのは「建国されたという事象そのものを記念する日」であると解釈できるようにしたからという。つまりこの日が歴史的事実とは言い難いため、あえて「建国記念日」とすることをさけたのであろう。同日にイタリアとイランも重要な記念日になっている。イタリアでは1861年イタリア王国成立以来、ローマ教皇庁とは対立が続いていたが、1929年のこの日、ムッソリーニがローマ教皇と和解しラテラノ協約が締結された。これによってバチカン市国の独立が国際的に承認されたのである。イランでは1979年のこの日、イスラム教シーア派の最高指導者アーヤットラー・ホメイニが政権を掌握した。今日、イラン革命記念日として首都テヘランでは毎年盛大な式典が行われる。天皇教、キリスト教、イスラム教の重要な記念日が同日というのも畏ろしいほどの偶然の一致である。
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