向田邦子新春シリーズ
「そのころ私たちの家は、池上本門寺近くの石段を上がった所にありました」というナレーション(黒柳徹子)で始まる向田邦子新春シリーズは1985年(「眠る盃」)から2002年(「風立ちぬ」)に至るまで17年間続いた。時代や家族の設定はだいたい同じである。戦争の足音が少しずつ近づいてくる昭和13年から15年頃の東京の山の手。父は役人だったが数年前に他界している(数作品には父が健在なこともある)。母と娘3人の女だけの家に男が登場して、様々な波紋が広がっていく。ヒロインは長女、あるいは次女が多く、三女の目線で物語が進行していく。全体に戦前東京の都市文化(映画・レコード・喫茶店・ダンスホールなど)に対する強い憧憬が垣間見られる。元日の朝、家族全員が晴れ着を着て、神棚に手を合わせたり、「おめでとうございます」と挨拶して、お節料理をいただくシーンがある。正月ドラマだが、家族が死んだり、病気がちだったり、破談になったり、縁起悪いのも特徴の一つである。常連の俳優は加藤治子、田中裕子、小林薫。他の配役は毎回ごとに変更している。シリーズ中で最高傑作はどれか只今検討中。「隣の神様」(国生さゆりが病弱な妹で登場する話)は「赤マントの男」という奇妙な都市伝説の話であるが、味わいある作品の1つ。
シーリズ中で田中、加藤、小林の3人が出演していること②田畑智子が出演していること③四谷シモン医師で出演している④ナレーションは黒柳徹子。この条件を満たす作品は「小鳥のくる日」(1999年)
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