コタンの口笛
「コタンの口笛」は昭和32年の石森延男(1897-1987)の児童文学で第1回未明文学賞を受賞し、昭和33年にはNHKでドラマ化され(主演・武部秋子、山崎猛)、昭和34年には成瀬巳喜男監督で東宝映画「コタンの口笛」(主演・森雅之、久保賢、幸田良子)が制作されている。
アイヌを父としてシャモ(日本人)を母とする畑中マサは中学3年生。弟ユタカは中学1年生。父イヨンは日雇いで、母は早くなくなっている。星一徹と同じ家族構成である。ちなみに映画版で、教室で金がなくなった件でマサがクラスメイトから嫌疑をかけられるシーンがあるが 、アニメ版「巨人の星」でも同様の話があった。
アイヌの子であるばかりに、シャモの子にいじめられる。町の百貨店経営者の娘後藤ハツと弟のゴンは、マサやユタカと同級であるが、ふたりに対し、ばかにしたり、つらくあたったりした。ある日、ユタカは、ゴンに「この者売り物なり」という紙を背にはりつけられ、とうとう決闘を申し込む。しかしユタカは、ゴンの友だちのサボにバットでなぐられ、失神してしまった。
それ以来、酒飲みだったユタカの父は禁酒して、きこりとなり、新しく生活をたてなおそうとしていた。
マサは図画の谷口先生が好きで、美術展入選作「湖畔の少女」のモデルになったりした。
ある日、父は倒れる木の下敷きになって死ぬ。叔父の金二が姉妹を町へ行かせては働かせる。家は売られて、二人はコタンの部落をでていく。映画「コタンの口笛」でマサを演じた少女スター幸田良子はわずか2年で映画界から消えた。「コタンの口笛」「愛の鐘」「恐るべき火遊び」「夜の流れ」わずか4作品しかない。
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コメント
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「コタンの口笛」、子供の頃、読んだのを思い出しました。
大人になってから読むと、また印象が違うのでしょうね。また読んでみようと思います。
投稿: ぷにぷに | 2008年8月24日 (日) 20時31分