ふるさと岩手
岩手県の面積は北海道に次ぐ全国第2位の広さ。海岸からは北上山地、秋田県の境には奥羽山脈、その間に流れる北上川の渓谷が美しい。奥羽の山地は寒冷である。とくに北東風(やませ)が強く吹くと、それが直接さらされて冷害が起る。
近代文学史上、最も国民に愛された詩人は石川啄木(1886-1912)であろう。日戸村に生まれ渋民村(のちに玉山村、現在は盛岡市)に育った。16歳で盛岡中学を退学し、明星歌人となるも、貧窮により苦労し26歳の短い生涯だった。「銭形平次捕物控」の野村胡堂(1882-1963)は紫波郡彦部村(現在の紫波町)の生れ。盛岡中学の一級下に啄木がいた。「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」などの童話で知られた宮沢賢治(1896-1933)は花巻の生れ。岩手県は原敬(1856-1921)、斎藤実(1858-1936)、山屋他人(1866-1940)、米内光政(1880-1948)、後藤新平(1857-1929)、及川古志郎(1883-1958)と政治家、軍人が多い。幕末明治の鉱山学者の大島高任(1826-1901)は近代鉱山業の基礎を築いた。近代的な国語辞典と文典の「言海」「広日本文典」をまとめた大槻文彦(1847-1928)は江戸の蘭学者・大槻玄沢の曽孫になる。
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