井上梅次「三つの顔」
ビルマ戦線で命を助け合った3人の戦友が5年後の再会を約束して品川駅で別れる。そして5年の歳月が流れた。伊藤雄之助は貧しいながらも労働者として僅かの金を貯えた。水島道太郎は病弱の妻を労わりながらボクサーに命を賭けた。そして三国連太郎はギャングの仲間に誘われ警察に追われるはめになる。初期の日活作品「三つの顔」(1955)は映画史に残る作品ではないかもしれないが日活にとってアクション路線への契機となった作品である。水島に八百長を誘う萩山組社長に安部徹が扮しているが悪役の存在感は日活アクション映画に欠かせない。ボクシング映画は石原裕次郎「勝利者」(1957)へと続く。水島が腕を折られそうになるシーンなど「嵐を呼ぶ男」(1957)のドラマーが傷められるシーンへと続く。井上の活劇的手法は大衆にわかりやすく娯楽映画の醍醐味といえる。
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