婚前特急
吉高由里子主演「婚前特急」(2011年)。自由恋愛を楽しんでいるOL池上チエは5人の男性と交際している。ある日、親友の結婚に触発されて、誰が本当の相手か査定することにした。最低はパン工場の従業員の田無。金もなく図々しく醜男で、「楽」なだけが唯一の取り柄。だが結局は田無と結婚する。結婚は理想の人よりも、長く暮らすには「楽」が一番ということか。ヒロインのチエを演じる吉高は奔放なイメージがあるが、お行儀が悪い感じでこれまで好みの女優ではなかった。「花子とアン」はなにか不自然な感じがした。だがこの作品は吉高でなければ成り立たないハマリ役といえる。劇中で石橋杏奈が扮するミカがチエの人物批評する。「他人を見下す、料理を美味しいと一度もいわない、態度が悪い、自己チュー、美人だと何でも許されると思っている」実に当たっている批判である。このような嫌われる性格のヒロインもめずらしい。武井咲や剛力彩芽にしても従来の清純派タイプを超えることはできなかった。吉高はその演技力で現代女性の悪の部分を晒しながらも、キュートな魅力を発揮している。1960年代の団令子以来の出現かもしれない。
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