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2014年11月26日 (水)

高倉健「男の美学」

003   高倉健の追悼番組が続く。彼の暖かい人柄を感じさせるエピソードは多い。気遣いの人でお世話になった人への手紙やスタッフたちへの心遣い、その律儀な性格はむかしの良き日本人を思わせる話ばかりである。彼のとっておきのエピソードを1つ紹介する。

 特攻隊の生き残りが苦悩する「ホタル」という映画の試写会で鹿児島の高校生と高倉健がトークするという事があった。冒頭に女子高生がこう質問した。「高倉さんは日本人に生れてよかったと思いますか」高倉は「日本人に生れて誇りに思います」と率直に答えた。だが健さんの言葉少ない対応に、会場がシーンとなった。しばらく沈黙していた健さんも、会場の異様な沈黙に気が付いたのか、怪訝な口調でこういった。「何か変なこと言いましたか?」ところが質問をした女子高生が沈黙のまま泣き出した。そこで、空気を読んだ他の高校生がこう質問した。「高倉さんが実際の特攻隊員だったら、それでも日本を誇りに思いますか」それまで椅子に掛けて対応していた健さんは、会場の異様な空気に気が付き、立ち上がってこう答えた。「取り乱してスミマセンでした。実際に特攻隊になった場合のことはわかりません。ただ私は日本人として生れたことを誇りに思っています」

この高校生たちと健さんとのトークはここで終わっている。おそらく高校生たちは健さんが若者が特攻で犬死したのは、日本という国が悪い、という批判的な発言を期待していたのだろう。そのため健さんの想定外のコメントに女子高生は動揺して泣いてしまった。健さんは大人の対応で謝罪したが、「取り乱した」のは高校生側であり、健さんは何も取り乱していない。健さんは素直に日本人として当たり前の発言をしたに過ぎない。高校生には賢しらな政治的発言が受け入れやすいが、真っ直ぐで純朴な健さんの生き方が分かるのは多少時間がかかるのかもしれない。

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