パトリック・モディアノ
2014年のノーベル文学賞はフランスのパトリック・モディアノに授与されることが発表された。東京杉並のブックカフェ「6次元」に集まったハルキストたちはがっかりと項垂れていた。モディアノの作品は代表作「失われた時のカフェで」や映画化された「ルシアンの青春」「イヴォンヌの香り」などで、本を読んだことないがイメージとしてはわかる。「冬のソナタ」の女性シナリオ作家もモディアノの「暗いブティック通り」に影響されたと言っている。
「記憶を失くしてしまったひとりの男が、自分の過去の思い出を取り戻すために周りの人を探し回り、ひとつずつ手がかりをつかんでいくのです。(略)このような感性は、私たちが冬のソナタを書く時に、無意識にではあるかも知れませんが、助けになったと思います。とくに主人公のチュンサンが記憶を失い、またそれを取り戻していく過程でのチュンサンとユジンの心理を描写する時、今考えるととても参考になったと思います」(「もうひとつの冬のソナタ」キム・ウニ、ユン・ウンギョン)
ミトンの手袋は効果的だった。日本人は「銀座の恋の物語」のおもちゃのピアノで音が壊れていることで裕次郎が記憶を取り戻すていくシーンがあるので、そのパクリではないかと疑った。モディアノだったのか。
今回のモディアノ受賞はハルキストはがっかりしているが、ソナチアン(「冬のソナタ」を愛する人たち)は喜んでいるもよう。
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