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2014年10月23日 (木)

「少年老い易く学成り難し」のユーモア

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  少年老い易く学成り難し

  一寸の光陰軽んずべからず

  未だ醒めず池塘春草の夢

  階前の梧葉巳に秋声

    古来、日本人にはお馴染みの漢詩である。人間、すぐ老齢にいたるが、学問はなかなか成就しがたい。だから、ほんの少しの時間も無駄にせずに勉強せよ、という教育的な名詩。朱熹の「偶成」という。ところが最近の研究で朱熹の作ではない可能性が高いことがわかった。中国の朱熹全集をいくらさがしても見当たらない。柳瀬喜代志によって「滑稽詩文」に「寄小人」という題で似た詩があることがわかった。この詩が朱熹の作として登場したのは明治の漢文教科書によってである。本来の作者は観中中諦(1342-1406)という五山の僧侶らしい。それにしても、「偶成」が朱熹でなかったというのは、日本人のユーモアを感じる話である。

ところで「池塘春草の夢」とはなにか。これは謝霊運が、ある時「池塘生春草」という句を得て大層得意であった。今この詩にこの句を取ったのは「若いときに自分の才能に得意がっていると、悲しい老いが直ぐに来るぞ」と暗に知らしているのである。(謝霊運「登池上楼」)

(参考:岩山泰三「少年老い易く学成り難し、とその作者について」 月刊しにか8-5、1997.5)

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