インドの農民組合キサン・サバー
1936年4月、ウッタル・プラデシュ州ラクノウで各州の農民組合(キサン・サバー)が統合されて全インド農民組合が設立された。1930年代の後半から第二次世界大戦、1947年のインド独立を経過する中で同組合は拡大の一途をたどり、独立後も今日に至るまで農民運動の前衛組織をなしている。特に第二次世界大戦期から、インド共産党の指導下に置かれ、反帝国主義・反地主制度の闘争を展開、アーンドラ、ケララ、西ベンガルの諸州で強い力を発揮している。「農民組合の思い出」は農民組合の結成期から関わってきたスワーミー・サハジャーナンド・サラスワティー(画像、1889-1950)の自伝的著作。
キサン・サバー(Kisan Sabha)は近代インド農民史では重要語だが、「アジア歴史事典」(1959)に項目は見当たらず。インド農民組合に関する日本語文献は少ない。
「第二次大戦前の全インド農民組合」 山本盤男 九州共立大学経済論集6(1) 1980-12
「インドの農民運動と土地改革 全インド農民組合の成立から土地改革法成立に至るまで」 古賀正則 東洋文化34、1963-2
インドの近代史研究に関しては日本は弱い。「ロンドンの夜」(1937)で知られるインドの作家ザジャド・ザヒール(1905-1973)の日本語の紹介も皆無である。Sajiad zaheer、A Night in London
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