必死のパッチ
セCSで阪神が巨人に連勝。あと2勝。 阪神には「必死のパッチ」という関西人にしかわからない奇妙な言葉が有名である。どうやら流行したのは、野球からのようだ。むかし巨人・阪神戦、優勝をめざした阪神の矢野輝弘選手がインタビューで叫んだ言葉が「必死のパッチでやったるで!」だった。その後も関本賢太郎選手も使い、甲子園からこの流行語がブームとなって広がっている。「一所懸命」とか「無我夢中」「がむしゃら」という意味で関西ではかなり古くから使われているが、おもに50歳以上の「おっちゃん」が使う言葉のようだ。ケペルは関西人で50歳以上なので、たしかに若い頃からしばしば耳にし、日常的に使える言葉であるが、いつ、だれが、と正確な語源となると謎の多い言葉だ。どちらかというとテレビで流行して、日常的に関西だけで使われていたという気がする。おそらく「てなもんや三度笠」か吉本新喜劇で奥目の岡八郎がギャグとして使っていたというあいまいな記憶がある。岡は「みなしごハッチ」と自らを呼び、八郎→ハッチ→パッチ、という変な繋がりが考えられる。ただし、岡の創案ではなく、それ以前から関西のシャレ言葉として存在していたようだ。語源としては諸説あるが、①必死(ひっし)→ひち→七→それより上をいく(八)→はち→パッチ、という感じの語呂合わせとする説②関西では桂馬の駒の動きが股引の形に見えることから「桂馬のパッチ」という言葉があり、相手がどう守っても確実に詰める状態を「必至」という将棋用語がある。つまり、桂馬で王手をかけた際、守る側のギリギリの状態が「必至のパッチ」である。
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