人名における「哲」の字
日本人で「哲」の文字を含む名前は江戸時代以前はほとんどない。明治になって西周がフィロソフィーの訳語を「哲学」としてから、男性名に「哲」の字が使われるようになった。「哲」の字は固い感じがするため女の子にはほとんど使われることがない。「哲」の字は韓国語で「チョル」と読み、韓国人男性の名前に多いことから、在日韓国人などに多く使用され、次第に日本人名としても多く使用されるようになった。「哲」の意味は「物の道理をよく知る」の意で、「哲理」「哲人」「哲学」「明哲」など熟語はあまり多くない。しかし現在、「哲史」「哲志」「哲司」「哲也」「哲郎」など「哲」の男性名は流行している。仲間由紀恵の夫は田中哲司、ヤクルトスワローズのトップバッター山田哲人、巨人のエース内海哲也。古くは哲学者の井上哲次郎、宇野哲人、政治家の上田哲、医学者の阿久津哲造。やはり野球の神様、川上哲治の影響が大きいのかも知れない。
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