片腕の男ビル・ライシュは傷痍軍人
TVドラマ「逃亡者」(1963年版)には陰の立役者が二人いる。一人がジェラード警部バリー・モース(1918-2008)であることは言うまでも無いが、もう一人は片腕の男フレッド・ジョンソンことビル・ライシュ(1905-1984)である。キンブル医師の妻を殺した真犯人。全米を逃走しているが、多くの余罪もあるらしい。全120話のうち出演回数は少ない。だが視聴者はビル・ライシュが登場するのを待ちに待って、何年間も見続けたわけである。最終回の視聴率が記録的な数字であったが、それは無名の俳優ビル・ライシュを見たかった人がこの地球上に何億人いたことだろう。そしてドラマが終わって何十年経っても幻のフレッドを捜しもとめているような気がする。一体どんな俳優だったのか。過去は、その後は?1930年代はジークフリート・フォリーズというニューヨークの一流劇団のダンサーだったという。第二次大戦中は海軍に入り右腕を失った。戦後、映画の脇役をしていたら、映画「脱獄」(1962)で片腕の男の役でカーク・ダグラスとの激しいアクションが関係者の注目をひき、TV「逃亡者」の起用となった。まさにフレッド役は彼以外には考えられない。大柄で凶暴な雰囲気、動物的な体臭、すべての物語はこの男の犯罪で始まり、この男の死で終った。
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初めまして。たまたま、見かけましたのでメールします。私も好きで〃。長年のライフワーク、全作を、それぞれ編集(ゲストスター調べ、その他コメント)して作成中ですが、なかなか進まずではあります。4作までは出来ています。youtube に単に上げるような中身とは違います。もし、御興味があれば、連絡ください。差上げます。私は熊本在住の、もう70になる者です。でも、まだ元気なつもりです。では。/忘れもしない最終回。その頃は録画デッキなどある筈なく、お袋のセッティングで、しっかり見ました。懐かしいな。
投稿: 南淳一 | 2023年5月28日 (日) 04時30分