アルキメデスの熱光線
古代ギリシアにおいて多才な業績を挙げた科学者アルキメデス。彼が発明したとされる兵器で、太陽光線をレンズで集め、焦点を敵艦に合わせて火災を起こさせるもので「アルキメデスの熱光線」と呼ばれたものがある。シチリア島がローマに侵略されたとき、彼の製作した装置がシラクサ防衛に使われた。大きな鏡を何枚も用意させると、それを城壁に並べた。そして近づいてくる敵艦を見つけると、アルキメデスは鏡を持つ兵士たちに命じた。「よし、あの先頭の船に鏡の光を向けよ。狙いは、船首の黒く塗られた部分だ!」すると鏡の光に当たった敵艦の一艘が、パッと火を噴いて燃え上がった。シラクサはアルキメデスの才により、ローマ艦隊の攻撃に3年間耐え続けた。このアルキメデスの熱光線は本当に実用可能な兵器なのか。近年の再現実験では少々の黒焦げとわずかな炎を発生させただけで、船は燃えなかった。
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