「形而下」って、どんな意味?
学問は形而下学(科学)と形而上学(哲学)に分かれる。科学は、客観的に検証可能な価値を求める学問であり、哲学とは検証不可能な「価値」を求める学問である。形而下、形而上、言葉の意味は知っていても、あまりしっくりこない。言語学者の柴田武(1918-2007)の著書「知っているようで知らない日本語2」にとても分かりやすい説明が記されている。
ここに1本の木がある。これは目で見ることもできるし、手でさわることもできる。これは木に「形」があるからだ。しかし、木なるものは宇宙においてどういう存在なのか、どういう意味をもつものなのか、そういうことも頭の中で考えることができる。しかし、それは「形」のないものを手探りしているようなものだ。「形」のあるものを「形あり、而して下」と表現するのが漢文で、漢字だけ続けて「形而下」という。サイエンスは「形而下」の学問、哲学は「形而上」の学問である。
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