陰毛礼賛
「続・兵隊やくざ」を見ていると勝新太郎が看護婦(小山明子)の陰毛をもらうシーンがある。美人の陰毛が弾除けのお守りになるというのだ。江戸時代、遊女は、平たくて小さい軽石を二つ使い、陰毛を間に挟んでこすり切ったり、線香で焼いたりしていた。しかし、江戸時代の「春画」には陰毛はしばしば描かれている。明治になって刑法175条によって陰毛が描かれたものは猥褻であるとされた。絵画、写真などで陰毛が現れるのはずっとのちのことになる。yahoo!で「陰毛」を画像検索するとセーフサーチがオンになっていると表示されない。国立国会図書館蔵書検索で「陰毛」を入力すると医学論文が多い。「九州における特殊業態婦の腋毛並に陰毛に就いて」「本邦人体毛、特に陰毛について」、「陰毛発育不全症の臨床的ならびに実験的研究」1959年から1960年代にかけて急激に陰毛への関心は高くなっていった。1970年代には雑誌「プレイボーイ」日本版にも陰毛が現れる。リエコ・イングリッシュ(画像)という沖縄出身のハーフが日本初のヘア・ヌードといわれている。映画では「1984年」でスザンナ・ハミルトンが陰毛を露出している。「愛の新世界」での鈴木砂羽・片岡礼子のヌード・シーンも話題となった。1990年代になるとヘア・ヌード写真集がブームとなるが、むしろ近年は若手女優のヌードシーンは減っている。イメージを重視する企業がCM契約においてヌードにならないように規制しているといわれる。大谷直子の「肉弾」(1968)のような自由な表現はむかしの話なのだろうか。(Lieko English)
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「続・兵隊やくざ」のその場面、覚えています。今は亡き父が軍隊経験があり、昔、兵隊やくざを見ては普段寡黙な父が笑っていました。理不尽で陰湿な部下いじめを行う上官を勝新太郎の大宮(だったかな?)が、こてんぱんに上官をやっつけるところなどが痛快だったのでしょう。
投稿: | 2014年7月19日 (土) 09時31分