現代人の造語力の低下
厚生労働省は従来「脱法ドラッグ」と呼ばれていた取り締まり対象外の麻薬と同様の効果を持つ物質のことを、「危険ドラッグ」という呼称に変更した。このところ呼称の変更がしばしばみられる。「オレオレ詐欺」が「母さん助けて詐欺」と変更された。また「前期・後期高齢者」の新たな呼び名に「若年・熟年高齢者」が浮上している。しかし「若年高齢者」は若いのに老けてる若者のことを指すように思われる、との声もある。「母さん助けて詐欺」があまり浸透しないように残念ネーミングにならなければいいが…。
明治期から大正期にかけて和製漢語が大量に造られたが、今日の基本的な熟語として定着しているものが多い。「歴史」「国家」「宗教」「警察」「理想」「新聞」「交通」「芸術」「法律」「学校」「空気」など挙げるときりがない。われわれは明治人の造語力を学ばねばならない。そのためには普段から漢字の学習はもとより、漢字を豊富に駆使して、日頃から自由な表現力を養う必要がある。
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