ミスティをかけてちょうだい
ジャズ・ピアニストのエロール・ガーナーが1954年、飛行機で移動中に頭の中に浮かんだメロディが「ミスティ」、という話は有名である。もともとピアノ曲であるが、ジョニー・マティスが最初で、サラ・ボーン、エラ・フィッツジェラルド、ダイアン・リーブス、ジュリー・ロンドンなど数多のシンガーがカヴァーしてスタンダードナンバーになっている。映画「恐怖のメロディ」(1971)にも登場する。カリフォルニアでラジオ局のDJをやっているデイブ(クリント・イーストウッド)は精神異常の女のリクエスト曲「ミスティ」をかけたことから、この女につきまとわれ、やがて思いがけない事件へと進んでいく。捜査の刑事はなぜかマントヴァーニが好きだという。マントヴァーニも「ミスティ」を代表曲としている。原題は「Play Misty For Me」(ミスティをかけて頂戴、わたしのために)。マイケル・ダグラスの「危険な情事」(1987)は設定は異なるものの、この映画のリメイク版と思えるほど似ている。実際に下敷きとしたコメントがメイキングに収録されている。またセクシー系のドナ・ミルズと知性派のジェシカ・ウォルターの2人の女優が対照的で魅力的だ。
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コメント
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クリント・イーストウッドはジャズ好きで、自身の監督作品にもジャズ音楽が多用されていますよね。
投稿: | 2014年7月 3日 (木) 09時15分