年寄りの冷や水
「老人に不相応な、危ないことや差し出た振る舞いをすることのたとえ。老いの木登り」(大辞林)とある。同じ趣旨で「年寄りの力自慢」などという語もある。年寄りが木に登ったり、力自慢をしている姿をあさましく思うのは昔の話であり、近頃では山登りやゲートボールなど老人のスポーツが盛んである。したがって「年寄りの冷や水」という言葉もあまり耳にしなくなった。
ところで「冷や水」とは何か。本では「冷水」と書かれているものもある。「江戸いろはかるた」が語源で、冷水を浴びる姿が想像できるが、実はそうではない。冷水とは隅田川の水のことで、江戸時代、水売りが杉の葉を立てた桶を担いで「冷や水やァ、冷や水やァ~」と言いながら売り歩いていた。当時の江戸は、井戸を掘っても塩水が出てきたりして水には恵まれてなかった。隅田川のまん中の水はきれいだというふれこみで、どんぶり1杯1文のこの水、よく売れたそうである。ただし、お年寄りが飲んで腹痛を起こすことも多かった。「冷や水を飲んで息子に叱られる」と川柳にも詠われ、年がいもなく若者の真似をしたがる年寄りの行動を指すようになった。
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