テニスの起源
近代スポーツであるテニスの原型は、「ポーム遊び」の発達にその一端をうかがうことができる。フランスでは古くは「ラ・ソーユ」という球技が8世紀に発生したが、11世紀には修道院で行なわれていた球技がフランスの貴族の間に広まり、13世紀には盛況をきわめた。ジュ・ド・ポーム(Jeu de paume)と呼ばれる球技がそれである。ポームとは「手のひら」を意味するが、当初は手を使ってロープ越しに打ち返すというものだったが、11世紀にはグローブをはめるようになり、16世紀にはラケットが発明された。「エセー」(随想録)で知られる16世紀の思想家モンテーニュの弟のアルノー・エイケム・ド・モンテーニュ(1541-1564、サン・マルタン隊長)は23歳の時にポーム遊びの事故で死んだという。フランス革命で有名な「テニスコートの誓い」(1789.6.20)は国王が議場を閉鎖したため、ベルサイユ宮殿内の球技場(ジュ・ド・ポーム競技場)で第三身分の議員が集会を開いたものである。
ポーム遊びはもともと貴族の球技だったので、動作には礼儀が残っており、最初ボールを打つとき、相手に「どうぞ、受けて(Tenez)」とあいさつの言葉をかけた。その言葉を英語式に読むと、「テニス(Tennis)」となる。
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