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2014年6月18日 (水)

小公子とマングース

Photo_2S027_2  福音館書店が1960年に刊行した「学習国語辞典」という13㎝に満たない小さな本がある。東京教育大学の国文学者、西下経一(1898-1964)が監修しており、小・中学校の教科書から大切なことばに説明をつけたものである。そして、付録に「俳句・和歌」「人名」「地名」がある。「わ」の人名項目には外国人はワーズワース、ワクスマン、ワグナー、ワシントン、ワットの5人が、日本人は若松賤子、若山牧水、王仁が載っている。つまり当時の教科書では和井内貞行、若槻礼次郎、和気清麻呂、渡辺崋山などは扱わなかったことがわかる。ところで若松賤子は「小公子」の翻訳で知られる。本名は松川甲子(かし)という。結婚後は巌本嘉志子と名乗った。コーキ出版の「学習百科大事典」(1975)には前記6人の日本人は載っているが、若松賤子は載っていない。代わりに動物学者の渡瀬庄三郎(1862-1929)が載っている。渡瀬はハブ害に苦しむ島民のため、1910年マングースを沖縄島に持ち込んだことでよく知られている。小公子とマングース、どちらが子どもたちに重要な事項が悩ましい問題である。

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