紙綴器の歴史
日本で指先で簡単に紙が綴じられるホッチキスが現れたのは、1952年7月、山田興業(現マックス)がハンディタイプのホッチキス「STC10」を発売した。価格は200円。それまでは重量のある卓上型のホッチキスか、キリで穴をあけ、和紙でよった紙縒りで綴じるのが一般的であった。この小型のホッチキスが販売される以前も我が国ではすでに紙綴器を「ホッチキス」と呼んでいたらしい。1903年、伊藤喜(現イトーキ)が最初に輸入販売した製品ケイズ・ディに「HOTIKISS.№.1」と刻印していたからである。ホッチキスとは商品名(会社名)で英語ではステープラーと呼ばれる。ホッチキスの起源には諸説ある。①機関銃の弾丸送出機構をヒントにベンジャミン・バークレー・ホッチキス(1826-1885)が考案したとする②ベンジャミンではなく、弟のエーライ・W・ホッチキスが発明したとする③そのどちらでもなく、イギリスのアーサー・W・ホジキンスが発明したとする。
真相は現在もわからず、語源が人名にあることだけは確実なようである。広辞苑には「ホッチキスの名は兵器発明家ベンジャミン・バークレー・ホッチキスに因む」とあるが、彼は1885年に没しており、会社創設は1895年であることから、弟である可能性が高い。19世紀の半ば頃には今日の卓上型の紙綴器が存在していたらしい。
最近は、針を使わず、紙を紙でとじる「針なしホッチキス」が話題である。あまり分厚く綴じられないことや、小さな穴があくことが難点である。(stapler,K'sDee)
「産業」カテゴリの記事
- 緑色なのに「青信号」と呼ぶのはなぜ?(2022.09.15)
- 東海道新幹線の車体が青と白なのは?(2019.12.07)
- ロープの結び目から生まれた「ノット」 (2016.03.04)
- バスと人生(2015.01.03)
- 王冠栓の話(2014.04.09)
コメント