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2014年6月10日 (火)

クールベ「物思い」

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 物思い  クールベ 1864年 ドゥエー美術館蔵

   ギュスターヴ・クールベ(1819-1877)は、6月10日スイス国境近いフランシュ・コンテ地方の小村オルナンに生まれた。1840年父のすすめる法律研究のためにパリに出たが、画塾に通って絵画に没頭する一方、ルーヴル美術館で巨匠の作品を勉強した。1850年の「オルナンの埋葬」で評壇を二分する物議をかもした。この絵があまりにも実景の描写に徹しすぎ、当時の絵画思潮に反していたためである。その後もクールベは自分の芸術上の立場を挑戦的に表明し、写実主義のリーダーとなった。「現実をあるがままに直視して描写する」ことを主張した思想的立場は、美術史上きわめて大きな意義を残すものであった。

    この「物思い」はクールベ晩年の作品で、若い娘が何か物思いにふけるさびしげな横顔。クールベ好みの主題である。このような、自意識から解放され、いわば本然の姿に立ち還った女性の存在に、彼はインスピレーションを見出したといえようか。この女性は、1864年のサロンに出品した「ヴィーナスとプシケ」のヴィーナスになった人物と考えられている。これらのモデルを彼はパリからオルナンに呼び寄せ、女たちとの交際も派手で自由で、村の人々の顰蹙を買ったらしい。「波間の女」も、村の娘は裸になってくれないので、この女性がモデルになったといわれる。

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