むすめふさほせ
1235年のこの日、藤原定家によって小倉百人一首が完成された。百人一首で一字決まりの歌の初めの音を並べると「むすめふさほせ」となる。「娘房干せ」、つまり娘さんが襷がけで干し物をしている姿を想像する。さらにネットで調べると、「房」を「乳房」と解して、「上着がじゃまなようですから、どうぞ遠慮しないで、上半身裸で干し物をしてください」という意にとっているものもある。ケペルは百人一首をすべて暗記していないし、競技かるたをすることもないので、7枚の札を把握する必要もないが、どんな歌が挙げてみる。(5月27日)
む 「村雨の露もまだひぬまきの葉に 霧たちのぼる秋の夕暮れ」(寂蓮法師)
す 「すみの江の岸による浪よるさへや 夢の通ひぢ人目よくらむ」(藤原敏行朝臣)
め 「めぐりあひて見しやそれともわかぬまに 雲がくれにし夜半の月かな」(紫式部)
ふ 「吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ」(文屋康秀)
さ 「さびしさに宿を立ちいでてながむれば いづこも同じ秋の夕暮れ」(良暹法師)
ほ 「ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる」(後徳大寺左大臣)
せ 「瀬を早み岩へせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ」(崇徳院)
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私の控えでは「文暦2年5.27(1235年6.14)藤原定家が宇都宮頼綱の求めで、和歌100首を書写する(百人一首の初めか)」とあります。逐一、指摘するのもイヤミととられかねませんが太陽暦と陰暦の区別はご配慮されるよう希望する次第。
投稿: 西蒲原有明 | 2023年3月16日 (木) 10時13分