もしもしアワー、お知恵拝借
明治5年のこの日、東京・湯島聖堂に書籍館(のちの「東京図書館」)を開設したのが近代図書館のはじまり。むかし文化放送のラジオ番組で「もしもしアワー」(1964-1967)という番組があった。育児、病気、美容、服飾、家事、料理などどんなことでも、番組で専門家が教えてくれる。番組中に解答できないときは、終了後、係員が直接電話で教えてくれるというものである。たいへん話題となり、民放大会賞の最優秀賞を受賞している。いわゆるテレフォン・サービスの走りであった。しかし当時の図書館関係者は首をかしげていた。図書館でかなり古くからレファレンス・サービスというのがあり、大きな図書館では相談室を造ったり、専任の司書を配置しているところある。日本の参考事務の必要性については戦前から唱えられていたが、具体的な活動となったのは戦後になってからである。「もしもしアワー」の時代には、どこの公共図書館でもレファレンス・サービスは定着している。だが国民にどれほどこのサービスが周知されているかは当時も怪しいし、21世紀の現在でも怪しい。各種の相談機関や窓口サービス、あるいはインターネットなどの情報媒体が整備されることによって、最も公共性のある図書館のレファレンス・サービスの存在意義が薄れているような気がする。もちろん回答の方法が経験に基づく知識ではなく、資料にもとづくものということや、医療や育児など実際的な相談には答えられない面もある。しかしデータや過去の膨大な資料からの調査は一番得意するところでもある。大いに活用してもらいたい。
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