野生サルの生活と行動
霊長類は一般に社会的動物であるといわれる。しかしサル社会は群れをつくって生活し、人間のように親族の絆を重視したりすることはない。サルにおいては「家族関係」という概念をあまりに人間の家族にあてはめることは相応しくない。むしろ家族はないといった指摘がなされている。サルの生涯は被保護から自立へ、そして保護へと変化していくことは人間と同様である。被保護の段階というのは子ども期にあたる。誕生後4~5歳ごろまでである。その後、成体となるにしたがって自立した生活を築いていく。これらの段階の進行経過はオスとメスでは異なる。メスは、成体後は出産し、子を育てる。その後も、群れとともに生活していく。オスの場合は、成体となるころから若オス集団を形成し始める。また、成体に達した後は春には群れから離れた生活をし、秋の交尾期ごろまでこの状態の生活を行う。秋にはどこかの群れにはいる。しかし、また春には群れをでた生活となる。これを繰り返していく。老いていくと群れから離れ、ほとんど単独の生活(いわゆる「ハナレザル」)となる。
ニホンザルの社会でも簡単な挨拶行動がみられる。類人猿は、互いにあいさつをかわすことで、社会関係をスムーズにいくようにしている。ゴリラ同士のあいさつには、おじぎがある。あいさつ行動はチンパンジーが最も発達していて、頭・肩・腰や腿に手や口をふれるとか、両手をあげて万歳のポーズをする。握手したり抱擁する人間の挨拶の原型は、ほとんどチンパンジーの行動に中に見られる。サルの挨拶は、オスとオス、オスとメスの間で行われ、メスとメスとの間ではない。
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う〜む、いつも興味深い内容です。
投稿: | 2014年4月 5日 (土) 11時16分