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2014年4月26日 (土)

漢籍の教養

    四字熟語というのは、何となく難しい感じがして、とくに若い女性には毛嫌いされるものである。一般の文章や会話などでも、四字熟語を多用すると武田鉄矢(「純と愛」の善行)みたいに嫌味に聞こえる。明治大正の日本人は文章修辞に漢語を多用し、嫌味もなく引き締まった凛々しい文体を書いていた。このような文章修業に曾先之「十八史略」という本は有効であった。中国通史の類で、「史記」「漢書」から「新五代史」までの17の正史と、宋代の史料「続資治通鑑長編」など、あわせて18の歴史書から取捨選択し、太古から宋末までの史実を要領よくまとめた書物である。初学者にとって「史記」から正史をすべて読むこと困難であるから、中国史ダイジェストの十八史略はまことに重宝な書で特に日本で愛読された。高校時代に読んだのは簡野道明「十八史略新解」(明治書院)である。学習参考書などで普段は書架の隅に眠っておりその存在すらほとんど忘れかけた。あるとき自分の座右の書は何か、と考えたとき、多くの人は聞こえの良い名著をあげるものであるが、「十八史略」ほど愛読された本はないのではないだろうかと考えた。管鮑之交、韋編三絶、臥薪嘗胆、合従連衡、刎頚之交、鶏鳴狗盗、焚書坑儒、法三章、鴻門之会など有名な故事成句が簡便な文章で引用されている。三国志、諸葛孔明の故事で有名なのは「涕を揮って馬謖を斬る」であるが、この故事の出典は正史「三国志」ではなく、「十八史略」だという。いつまでも「十八史略」を座右に置いて親しんでいきたい。

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  「秦記に非ざる者は皆之を焼き、博士官の職とする所に非ずして、天下、詩書百家の語を蔵する者有らば、皆守尉に詣り、雑へて之を焼かん」 

  漢籍目録

漢書評林 100巻 凌稚隆
事物紀原 10巻 高丞撰  宋
淳化閣法帖  宋
小学   劉子澄 宋(1187年)
小学紺珠 10巻 王応麟撰  宋
書儀 10巻 司馬光 宋
書史 1巻 米芾撰  宋
書集伝 6巻 蔡沈撰  宋
棠陰比事 1巻、付録1巻 桂万栄撰
文章軌範 7巻 謝枋得撰
山海経・列仙伝 集英社 1975
事物紀原 宋・高承撰、明・李果訂 
喩林(上下) 明・徐元太撰 影印本・四庫類書叢刊 上海古籍出版社 1991 
礼記引得 上海錦章書局影印十三経注疏本 哈仏燕京学社 1937

Ro12_00352_p0001s 司馬氏書儀

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十八史略・・・はわが刎頚の友・・である。( ̄▽ ̄)

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