昭和と「伊豆の踊子」
川端康成の「伊豆の踊子」は大正15年に雑誌「文藝時代」1月号と2月号に分載された。単行本は翌年、昭和2年3月に金港堂より刊行された。作者が大正7年、伊豆に旅行したときの体験を基に書いている。薫は学生と下田で活動写真を見に行く約束をするが叔母の反対で果たせなかった。活動が最新の流行となった時代は大正であり、若き日の淡い恋の思い出が昭和初期の人にとって切なく感じられる。平成になっても数人のヒロインが演じているが、もはや当時の情感を醸し出すことが困難になってきた。現在まで15人の女優が映画・ドラマ・舞台で薫を演じた。田中絹代、美空ひばり、光本幸子、鰐淵晴子、小林千登勢、吉永小百合、内藤洋子、栗田ひろみ、山口百恵、島本須美、増田未亜、小田茜、早勢美里、後藤真希、戸田佳世子。
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