戦争に敗れた国家指導者の運命は
本日はサダム・フセインの誕生日であり、ベニト・ムッソリーニの忌日である。石田三成、東条英機、カダフィ。敗軍の将は横死する運命にあるようだ。だがイタリアのムッソリーニの場合は少し違っていた。ドイツによって助けだされ、北中部に傀儡政権のイタリア社会共和国を建国した。そのため内戦となり、ムッソリーニはパルチザンによってコモ湖付近で処刑された。もしも、イタリアの共産主義者たちが彼を殺さず、戦犯裁判が行われていたとしたら、21年間イタリアの首相の地位(1922-1945)にあったこの男を、どのような罪で裁いたであろうか。ムッソリーニは、ユダヤ人虐殺も捕虜虐待もかぶせることはできない。ただドイツ側について戦争したという一事だけで、死刑にできたであろうか。ムッソリーニが裁判にかかっていたならば、極東軍事裁判もかわっていたかもしれない。戦争に敗れた国家の指導者が、戦勝国民によって死刑に処せられるという原則は正当性をもつものであろうか。世界中はフセインのとき疑問を感じたであろう。(4月28日)
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