「デヴィッド・ジャンセン」トリビア
デビッド・ジャンセンはテレビ「逃亡者」で日本でもよく知られているスターである。たぶん東京オリンピックの頃に放送されたが、「ベンケーシー」などと共に高視聴率だった。毎回、ハラハラの追跡劇とアクションというより、さまざまなアメリカの家庭問題を題材とした人間ドラマであった。「歓楽のかげに」はネバダ州のリーノーが舞台の話。市名は南北戦争で戦死した英雄ジューシー・リー・リーノー(1823-1862)にちなんでいる。6週間の滞在とわずかな理由で離婚が許され結婚はさらに容易なので、州外から客が多く、豪華なホテルとカジノがある。
物語はホテルの社長(テリー・サバラス)の下でプールの監視員として働くキンブル、社長の娘(ジョアナ・フランク)。社長は娘がキンブルに近づくのを嫌い、彼に出て行くように命ずるが、娘がキンブルのあとを追ったため警察に通報され、危機が迫る…。テリー・サバラス(1925-1994)といえば、丸坊主のアクの強いスターだが、役者デビューは意外に遅く、バート・ランカスターに認められて「明日なき十代」「終身犯」など映画デビューした。このドラマ出演もまだスターになる前のものである。
「逃亡者」のキャスティングで謎がある。リチャード・キンブル夫人ヘレンを演じたダイアン・ブリュースターより、ジェラード警部夫人を演じたバーバラ・ラッシュのほうが映画出演も多く格が上で美人である。ラッシュが1927年生まれで、ブリュスターが1931年生まれという年齢を考慮したのだろうが。リチャード・キンブルは、逃走のとき足を軽くひきずって走る。本当にデヴィッド・ジャンセンは足が悪かった。不運にも高校時代に棒高跳びの事故で足の後遺症が残った。
ところでデビッド・ジャンセンは子役からの俳優というが、映画デビューはソニア・ヘニーのスケート映画「It's a Pleasure」(1945年)。2作目がワイズミュラーの映画「燃える密林」である。当時まだ少年だった彼がどのような役だったのだろうか。彼の孤独な陰影はキンブル役だけでなく、すべての役柄にも共通しているが、日本人好みのスターだった。根っからのハリウッド育ちで酒や煙草が好きなようだ。「逃亡者」のなかでも銜え煙草をよくみるが、ポイ捨ては今から見るといただけない。当時は当たり前だったのだろうが。
It's a Pleasre(1945)
Swamp Fire(1946)
The Square Jungle(1956)
邦題「四角いジャングル」 トニー・カーチス主演の拳闘映画
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私の記憶違いかもわかりませんが、来日して何かの番組に出演してトークをしていたのを見たことがあります。 その時の彼の声が結構ダミ声であまりに睦
さんの声と異なっていたのと話口調がハイテンションでイメージがかなりくずされた感がありました。 11PMのような夜番組だったとおもいます。
曖昧な記憶ですみません。
投稿: | 2013年5月18日 (土) 16時50分
まことに有益なる情報をお寄せいただき感謝申し上げます。
投稿: ケペル | 2013年5月18日 (土) 17時07分
「逃亡者」のジャンセンは適役でしたね。テレビではフアンでしたよ。
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2013年5月19日 (日) 05時26分