大町桂月と下北半島
本州最北端、下北半島には薬研温泉、下風呂温泉、湯野川温泉など温泉地もあり、尻屋崎(東通村)、大間崎(大間町)、イタコで有名な霊場恐山(むつ市)など景勝地も多い。とくに半島西岸の鯛島から弁天島に仏ヶ浦を含めた約15㎞の海岸線は本州さいはての秘境として人気の観光スポットとなっている。
明治41年8月下旬、三戸郡五戸町出身の鳥谷部春汀から「故郷に十和田湖という景色のよいところがある」と教えられ、初めて十和田湖を見た大町桂月(1869-1925)は、湖の雄大さや、自然の美しさに感動させられた。そして大正11年、桂月は地元の太田吉司、小笠原円吉に案内されて、初秋の下北半島を14日かけて一周旅行している。奇岩怪石の荒涼とした風景を見た桂月は次のように詠んだ。
神のわざ鬼の手づくり仏宇陀
人の世ならぬ処なりけり
恐山心と見ゆる湖を
かこめる峰も蓮花なりけり
大町桂月は当時まだ世に知られていなかった十和田や下北半島の景勝を紹介した詩人だった。
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