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2014年3月16日 (日)

論文の成果だけを性急に求める学界の風潮

  世の中、なにもかもスピード時代ではあるが、若い研究者の功を焦るような事例が生じているのは遺憾である。経営学の分野で有名なピーター・ドラッカーは晩年まで政治・社会・経済・歴史・哲学などあらゆる分野に関心をもち、彼の筆致は鋭く深い洞察に満ち溢れ、そのため「知の巨人」と称された。ドラッカーの特徴の1つは、こうした関心範囲の広さに由来する。ヘンリー・ベッティンガーは方面違いの分野の研究する方法を三角測量法になぞらえている。具体的には次のような、あたりまえの読書・研究の習慣が考えられる。

1.ある日刊新聞を初めから終わりまで、ざっと目を通す

2.週刊誌、書評を読む

3.自分の専門分野から、ずっと離れた分野の業界新聞を読む

4.「世界」「文藝春秋」など総合雑誌を読む

5.学会の専門誌を、題目のほかは何もわからないでも読む

6.書評されている本を買って読む

7.外国の雑誌を読む

8.若い時に読んだ小説・古典を読み直す

9.歴史上の、ある時代または事件を選び、徹底的に調べる

10.雑学者と呼ばれることを恐れるな

(板坂元「考える技術、書く技術」1973年)

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