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2014年3月12日 (水)

汝自身を知れ

Socrates1sized   「汝自身を知れ」とはギリシアのアポロン神殿に掲げられていた格言である。賢者ソロンの言葉としても知られている。元来は「自分の分限を忘れるな」という意味だったが、ソクラテスは「自分が何も知らないということを、自分は知っている」と自分自身の無知を知ることが、知ることの始めであると街頭での問答によって説いた。当時ソクラテスは、アテネで最も有名な哲学者だった。だが、高名とはいっても、時代の理想像だったわけではない。それどころか、挙動、外貌、素行、どれをとっても、アテネ市民にとって侮辱的に思われた。道を歩いている人の前に不意に立ちはだかっては、政治や哲学の話を始める。話かけられた人は、ソクラテスが自分に恥をかかせようとしているのではないかと疑うだろう。ソクラテスが起訴された本当の理由はわからない。民主派はソクラテスを平和と秩序を乱す邪魔者とみなしたらしい。裁判は有罪280票、無罪220票となった。さらにどのような刑罰にするかで、360票対140票で死刑が確定した。本来なら死刑宣告を受けたらすぐ処刑されるはずだったが、聖なるデロス島への供物を乗せた船が出航したところで、船が戻るまで処刑は延期されていた。ソクラテスには逃亡するチャンスがあったにもかかわらず、それを利用しなかったといわれる。俗説では「悪法もまた法なり」と言って死を怖れなかったと伝えられる。この名言は後世のつくり話で、「悪法に反して亡命するよりも、自分の哲学に殉じよう」という信念であった。つまり「悪法もまた法なり」などという形而下的なことではなく、己の信念に従うという意味である。欧米ではソクラテスの死は自己の信念の従うという意味であるが、日本では既存の悪法に服従するという意味にすりかえられている。世界では「法だからといって従う義務はない」と教えるのが一般的である。(Socrates)

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