亀嵩と矢戸
島根県の東南端・仁多町にある亀嵩は松本清張「砂の器」の重要な舞台として今日では広く知られるようになった。清張は何故この地を選んだのだろうか。ズーズー弁を話す中国山地の村、新潟県に亀田という似た発音の地名がある、これらの理由よりも、亀嵩から山を隔てたところに父の故郷があることがその大きな理由の一つと考えられる。松本清張の父・田中峯太郎の生地は鳥取県日南町矢戸である。家庭の事情で幼くして米子の松本家へ養子に出され、生家を離れた父は矢戸の地を愛してやまなかった。著書「父系の指」の中でも、父親の腕を手枕に、豊かな自然の美しさあふれる故郷矢戸の思い出話を聞かされたとある。
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