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2014年2月19日 (水)

智に働けば角が立つ

   「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにく」夏目漱石39歳の作品「草枕」の有名な冒頭の一節。意味は「理性のみで動こうとすると、人間関係がぎすぎすするため穏やかに暮らせなくなるということ」。

  ところで「智に働けば角が立つ」や「情に棹させば流される」は漱石のオリジナルなのか、彼以前にも成語として存在していたのか。詳しく知らないが、漱石以外に使用例をみたことがない。明治の人は「智情意」をよく使った。つまり「智」はintellectであり、「情」はfeelingであり、「意」はwillである。世の中というものは、知(intellect)を前に出しすぎると他人との間に摩擦ができてうまくいかない、という意味か。中学校での教師生活の実体験から生まれた言葉であろう。だが世の中、角が立つのを恐れてばかりいては、真実がみえてこない。やはり、言いにくいことを言い、問題を掘り起こすことも必要ではないだろうか。

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コメント

強情な漱石はその作品を通じて世間と大いに戦った。引用文の直後の「住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。」世間と戦って浮世の生きずらさを普通の人より多く味わった漱石の境地と思う。

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